ハートは温かく、頭はクールな人間であれ(感想:美輪明宏「愛の話 幸福の話」)

 私はジャンルにこだわらず色々な本を読みます。

ある時、友人から今読んでる本を聞かれたので「美輪明宏を読んでるよ」と答えたところ、「私、スピリチュアル系はちょっと・・・」と引かれました。

「内容は全然スピリチュアルじゃないよ。すごく頭のいい人だし、色んな経験から生まれた深い話が書いてあるよ」と言ったんですが聞く耳を持ってくれない。

一つの角度からしか物事を見られない人は、有用な情報をキャッチできずに損するぞ、と思いました。

実はこの本には前世のことも書いてあります。私は前世というものを信じていません。占いとかオーラとかも全く信じません。でも否定はしません。たぶん必要な概念なのでしょう。






この本を読んで勉強になったことを箇条書きで書いていきます。


恥と誇りを忘れるな

自分に誇りを持っていないから、恨みや憎しみでいっぱいになるのです。

「私はこれだけ素晴らしい人間なんだ」と思える人は、「傷つけられた」「奪われた」なんて思わないで済む。「持っていくならどうぞ」と思えるのです。

自分を地べたを這い回る虫のように思っているから、「ちょうだい、ちょうだい」と人から無理やり愛情をむさぼろうとしてしまう。

自分への恥と誇りをどんなときも忘れてはいけません。

カラカラの井戸では人に与えられない
自分に対するいたわりと優しさ、慈しみに裏打ちされた誇りと意地があれば、他人に与えられるのです。



傷ついてばかりの人へ

人生は、傷つく、褒めそやされる、うぬぼれそうになる、けなされる、の繰り返し。
感情・情念・センチメンタルを切り捨て、何が今の自分に必要なのか、それを将来どう役立てていくのか、クールにクールに考え抜かなければいけない
悩むことと考えることは違う。悩むというのは、苦しんで同じところをぐるぐる回るだけ。細かく分析して、マルとバツを見つける。大きいのと小さいのと花マルもあるはず。本能にまかせて刹那的に生きると、迷子のまま人生を終わってしまう。



美輪さん的恋愛論

恋とは・・・自分本位、生きるためのガソリン、消えるもの
愛とは・・・相手本位、栄養となって残るもの


けじめを忘れてはならない

「けじめ」「秩序」「節度」は大事。
山の中で1人で生きるならなんでもあり。しかし、人の中ではそれはいけません。

けじめを重んじるということは、他人や自分を思いやる行為につながります。
人との関係の中でどうすれば暮らしやすくなるかという人間の知恵なのです。

なれ合いで人の心の中まで土足で踏み込んではいけません。
礼節を忘れてはいけません。

 

人間は立体的

見えない部分もある。目をこらすこと。


ラジオのどのダイヤルを回しても楽しめる人になれ

政治・経済・歴史・マンガ・漫才・文化・芸術など、どんなジャンルでも吸収して理解できる人間になりなさい。


若さとは

若さや美しさはただの天然現象です。若さが無くなった時、ガラクタにならないこと。骨董品のタンスのように、細工を凝らして手をかける。使う人を喜ばせ、長持ちする。そんな人間になりたいものです。


相手を国に例える

相手のことが分からなくなったら、国に例えてつきあい方を分析するのも手。相手にも、相手の国の法律、財政状態、生活風習があります。外交問題として考えるとヒントが見えるかも。


結婚は面倒なもの

昔の人は、姑・浮気・子育て・家事等、結婚の大変さを叩きこまれて嫁いだもの。
でも今は、ドレス・指輪・ハネムーンなど良いことしか言わない。結婚の正体が隠れてしまっている。


夢を子供に押し付けない

夢を夫や子供に押し付けてはいけない。
相手の夢に口を出さない。侵入しない。


家族

家族は、学校の教室や寮生活と同じ。忍耐と努力と諦め
無味乾燥になるのを救うのが文化(叙情・リリシズム)なのです。
季節の行事や映画、ゲームなども大事なこと。


幼児虐待

幼児虐待は、親が子供と同じレベルでケンカすること。


母親

母親は、「いつまでもカワイイ女の子だと思われたい」「恋人気分」はダメ。


頭と心の温度

優しく、思いやりがあって、他人の痛みが分かり、ハートが温かい
でも首から上は冷静で、常に状況を分析できるのが求められる人間。
頭も心も熱いのは「でしゃばり」。頭も心も冷たいのは「大悪党」。


なぜ勉強するの?

なぜ勉強するのか子供に聞かれたら。
人さまに何を聞いても答えられる、人のために涙を流せる、そういう立派な人になるためよ。自分より弱い人、不幸な人の助けになるために、勉強するの。


自分らしく生きるために

自分らしく生きるために、まずは一度今の自分を細部まで分析すること。
そして、棚からぼたもちを待っていてはだめ。見つけたら自分で手を伸ばして取ってくる。食べたらちゃんと口を動かすこと。


色気とは

色気とは、「この人は自分に恥をかかせることはないだろうな」と思わせる言葉・態度。思いやりにあふれた上品な優しさ。
本当にモテる女は、生活の中に文化を持っている女。そして、そういうことを知っていて、決してひけらかさない。
人間は、音楽・本・会話の内容、そういった文化が見えない膜になってその人を包んでいる。家の中のモノすべてから人は波動を受けている。保護色の生き物。


幸せとは

幸せとは充足感。飽きたら消えてしまう。
ずっと幸せでいる方法は、感謝する心を忘れないこと。身体と心を落ち着けて、自分のすぐ隣にある幸せを見つける。

「不幸せになるために生きているわけじゃない。どんなに苦しくても、幸せになるために生きている」by 及川光博


珍しい小鳥

珍しい小鳥のようになりなさい


自己肯定の仕方

自分の体内に何十兆もの細胞がある。
何百・何千のご先祖から受け継いだ素質や才能がぎっしり詰まっている。
さまざまな人間の可能性を持っている。
その中から何人か分を呼び出して役柄を演じる
自己肯定の最たるものは、そこに気付くということ。

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本当におしゃれな人

本当におしゃれな人は、自己志向型。他人の目を気にしない。流行にもとらわれない。人を羨ましがらない。

そのために必要なのは、情報や流行に拮抗する知識や技術。美術史・美術雑誌・世界風俗史・ファッション誌・色彩心理学の知識をつけること。本をコピーしたり描き写ししたりしてスクラップブックを作る。そうすると自分が好きなタイプが見えてくる。


視野を広く

水商売の女性たちは強くてたくましい。あらゆる階層のたくさんの男女を見ているから、比べるものをたくさん持っている。弱い人は「比べるもの」を知らないだけ。人生経験が乏しくて、世間知らずだから、生きにくいだけ。視野を広げること。子供の頃の恵まれた生活も、今の貧乏な生活も、世の中のすべてではない。360°の中の1でしかない。


生き方

自分なりの生き方のコツ、上手な暮らし方を、行き止まりにぶちあたっても、もっと考えてみる。それが「哲学する」ということ。感情や情念の海に溺れないで、ひとつひとつ引きずり出して、整理して、分析すれば、スーッと霧が晴れていく。欲望をかなえたければ、それに見合うだけの才能・教養・容貌・努力が自分の中にあるか計算してみる。


発言に責任を

自分の言ったことに責任を持つ。言い逃れ、虚言、ごまかしで責任を放棄すると、自分がみじめになる。


自分の中に反省点を見つける

「私に見る目がなかったんだ。対処の仕方がまずかったところがあった。トラブルを防ぐ方法はあった。人情に流されてしまった部分もあった」
「そうか、問題の大部分が私のせいなんだ」
これで気持ちのもやもやは片付く。


人間関係

この世の中は、悪意、ねたみ、ひがみ、そねみでできている。結婚話や恋人との旅行など、ひがまれて当たり前。さらりと流して、何気なくスイスイと泳いでいくの。

社会構造が機能本位、経済本位、利便性に傾いているため、人間は情緒を奪われカサカサになっている。いきなり人間と向かい合ってもうまく付き合えない。

衣食住を見直し、カサカサにならない生活を心がける。ムダな時間、ムダな会話、「必要ムダ」と関わることで、あわただしい日常から自分を守り、心の潤いを守る。


知性・教養・人格

で友情(敬愛)が生まれ育つ。


運命と宿命

占いで見えるのは宿命。設計図。その設計図にどう建てていくか考え、実現していくのが運命。宿命の40%は変えられる。


宗教とは、信仰とは

宗教とは、神様と人間の間に立ち、中間の卸問屋をやって、拝み方や商品を売っている企業。優良なのもインチキなのもあるが、尊いわけでも神秘的でもない。

信仰とは、神仏を信じ、仰ぐこと。反省・分析・思考し、やがては自分自身を信じ仰ぎ、価値のある人間に磨き上げていく作業を信仰という。
清らかで温かで、美しく、厳しく、強く、思いやりがあるお釈迦様のようなエネルギー体になることを目指して、この世に修行に来ている。修行を積んで純度が高くなれば、もう生まれ変わる必要がなくなる。神仏に対し、お力をお与えくださいと仰ぎ、自分自身を高めていく作業を信仰という。

自分が自分を育てる親であり、師であり、子でも弟子でもあると思うと、自分を信じ愛する力も湧いてくる。


生きるとは

明日の朝、もしも目が覚めなくても後悔しないと思える毎日が送れればいい。今日という日をおろそかにしない。そうやって毎日を積み重ねていけば、将来への不安、妄想なんぞスーッと消えてなくなる。

人間はみんな同じ体力、資質、才能、精神力を持った卵から生まれたわけではない。何から何まで違う個性と思想を持っている。生きることの重さ、死の怖さを感じる人もいればそうでない人もいるのはそれはそれでいい。

人はみな、なすべきことを持って生まれてくる。おぎゃーと生まれてただ死ぬためだけに生まれた人なんていない。自分に与えられた必須科目は何か。生きていくとは、その必須科目をまっとうしようとする行為を言う。人生は当てが外れて当たり前。計画を立てるのも良いが、何が起こるか分からない。行動あるのみ。当たって砕ける。それが上手な生き方。


イライラして当たり前

もしも「私は足を踏まれても平気よ」という人がいるなら、その人はこの世に生まれてくる必要はなく、あの世で如来様としての修業を始めているはず。
世の中を生き抜くには、イライラを中和すること、自分を癒す環境を作ること。自分の部屋を、自分の好きな平和で優しく美しい楽しいインテリアでまとめましょう。


怒られることはカルチャーショック

人から「怒られる」「叱られる」ということはカルチャーショック。
人間が成長していく上で必要なショック。本来は親が子供を叱らねばいけないが、今は・・・。いざ社会に出た時、何ひとつ知的財産を持たないまま大人になってしまう。ただのアニマル。若い世代は被害者。戦後の世代が悪い。


世の中を俯瞰で見る

ゆがめられた情報に惑わされず、正しい自分なりの視点を持つには、観音菩薩(180億万那由他由旬:宇宙に突き抜けるほど背が高く歴史や先の先まで読める)のように世の中を俯瞰で見ること。そのために必要なのが、教養と冷静な知性、客観性。比べるものが増える。


社会との戦い

自分と社会の間の違和感と戦う時間が、人生の中に何年かあってもいい。
ただし、面倒くさがらず試行錯誤すること。


なぜ人を殺してはいけないの?

子供にそう聞かれたらどう答えるか。

「それはまた自分もころされるということ。痛い思いをして、目の玉をえぐりとられて、口を切り裂かれて、気持ちいいと思う?それをいやだ、怖いと思うなら、他人も怖いの、痛いの。だからやってはいけない」

そして子供に聞いてみる。殺したいと実際に思ったのか、どんな時に思ったのか、なぜ思ったのか。そうするといろんな答えが返ってくる。大人は聞くことを恐れうやむやにしてしまう。卑怯だ。死への畏れがあるからこそ、自分や他人の命を慈しむ気持ちが生まれるのだ。


人間が一生を無事に終えるための5つの条件

  1. 色情に狂わないこと。
  2. 口から入れるものに気をつけること。
  3. 金銭感覚を失わないこと。(ほどほどに稼いでほどほどに暮らす)
  4. 約束ごとを守ること。(他人に信用される)
  5. 対人関係は腹六分でつきあうこと。(相手に100%を求めるから「裏切られた」と思ってしまう。節度を持てばいざこざは無し)

 

生きがいとは

生きがいを持っている人は、異性の体、麻薬、ギャンブルといった本能に基づく快楽に重きをおかなくて済む。生きがいがない人は、どう生きればよいか分からないから、生活の中に本能に基づくものしかなくなってしまう
生きがいとは、知識の吸収や実践を通して自分が成長していけるものならなんでもいい。生きがいをいくつも分散させてたくさん持っておく。生きがいの中に、人生の快楽の源がある。

 

感想

私の体の細胞には、何千人分のご先祖様の才能が詰まっている。「話し上手なご先祖様」もいるはずだ。人と話すときにそのご先祖様を召喚すれば、明るく楽しくお話できるはずだ。
なんにもなしに自分に自信を持つのは難しいけど、ご先祖様の細胞があるという考えは自分の能力を引き出してくれるかも。

ハートは温かく、頭は冷静に、生きていきたいです。