決断するとは、悩むことではなく決めることである(書評:「グズをなおせば人生はうまくいく」斉藤茂太)


このタイトル、買わずにはいられませんよね。

言うほどグズなつもりはないんだけど、ちょっとだけ心当たりがある。なおせるのならちょっと読んでみるか、という気になります。

「なおせば」と「うまく」がひらがななのも良いです。ほわーんとしていてハードルが下がる感じがします。

レビューを見ても、嘘だろと思うほどほとんどの方が絶賛されています。
人気シリーズのようで、関連本が何冊か出ているんですね。「問題解決編」のほうも読んでみたい。


自己啓発本というのは、「普通~さらに上を目指す人」が読む本というイメージがありますが、こういう「マイナスから普通に近づきたい人」が読む本は何というんでしょう。
このジャンルの本は何冊か読みましたが、斎藤茂太先生の本が一番好きです。
精神科医だけあって語り口が柔らかくて優しい。

この本を読んだのは4年前です。
私の読書ノートは、感想文というよりは大事な部分を書き留めた自分だけの名言集のようなものなのですが、この本に関するノートの記述を読み返しても内容がピンとこない。
たぶん、モタさんの語り口がみんなを癒すんでしょうね。直接読まないと意味がない本なのかもしれません。

数年前、NHKで「モタさんの言葉」という紙芝居風のアニメが放送されていました。絵がすてきで、声もぴったりで、見かけるたびに心が温まったものです。

 

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この番組がそのまま書籍化されていたんですね。本屋の「特設 女性の本棚コーナー」でモデル本と料理本に挟まれているところを発見しました。ちなみに「男性の本棚コーナー」は、スポーツとアニメ等でした。

モタさんの“言葉”

モタさんの“言葉”


モタさんの“言葉” 2

モタさんの“言葉” 2



モタさん、お会いしてみたかったな。

さて、直接読まないと意味がないと言いつつ、要点をまとめてみました。

 

 

 グズのパターン

  • 動作がのろい
  • 手際・要領が悪い
  • 慎重すぎる
  • 内気である
  • 何でも自分で解決しようとする
  • 融通がきかない
  • マイナス思考
  • 周囲の状況を把握せずマイペース
  • 人の目が気になる
  • 落ち込むとくよくよする時間が長い


はい、私のことです。
グサッ。
しかしモタさんは、私たちがグズで悩んで焦っていることもちゃんとご存じです。
グズは悪いことではない。よく悩む人は伸びしろがあると仰ってくれています。

「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄への道を熟知すること」

「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄への道を熟知すること」
 by マキャベリ

自身の欠点の行く末を熟知すれば、よりよく生きる道への方向が見えてくる、ということです。

 

決断するとは、悩むのではなく決めること

臆病で新しい目標に進めない時。

リスクはあって当たり前。
たとえ挫折したとしても、この挑戦は無駄にはならないと腹をくくろう。
悩む時間がもったいない。

決断するとは、悩むのではなく決めることです。

何がしたいのか、何を手放したくないのか。
リスクを受け入れる覚悟があるのか、リスクは負いたくないのか。
周囲の同意を得たいのか、自分だけの気持ちを最優先したいのか。

さまざまな観点から対象を見て、悩むのではなく分析して、進む道を決めよう。
やる前に臆病になったら、達成したときの成功イメージを頭に思い浮かべてみよう。
悪いことばかり想像するのはおかしいことだ。

今やったほうがいいに決まってる

先のばしの理由が、

「後でやったほうがいい」
「今はやる時間がない」

なら、先のばししてもいい。

「今はやりたくない」

なら、今やったほうがいいに決まってる!

後になって「やりたい」気持ちに変わるわけではありません。
「早くやらなくては」と引きずるより楽になれます。片付けちゃいましょう。

どうしてもできない時は、そのいやな仕事の次に、好きなこと、急ぎの仕事を入れるといいです。グズグズしている時間を惜しんで早く行動できます。

私は、仕事をするとき書類の一番最後のページに、またはディスプレイの横に、
「これがおわったら お や つ」
と書いたフセンを見えるように貼ってます。集中力が続いて作業が早く進みますよ。お恥ずかしいですが。

 

素をさらけ出す勇気

意見がみんなと違って孤立したらどうしよう。
ポイントの外れた意見を言って軽蔑されたらどうしよう。

そう考えるのは、自分を自分以上のものに見せたいからです。
あるがままの自分に自信がないため、素をさらけ出す勇気がない。

世の中に失敗しない人はいないし、少しくらいみっともないことをしても、他人は自分が気にするほど関心を示さないものです。誰も自分に完璧さを求めてなんかいません。

あるがままの自分をさらけ出すためには、自分に自信をもって行動できるよう、努力すること。準備を怠らないこと。
人は未知のものを前にしたときに、大きな不安を感じます。
できるかぎり下調べしておいて「分からない」ことを減らしておくのが大事。

 

仕事を組み立てる

  • 最優先の仕事
  • 並行してこなせる仕事
  • 急がないけれどまとまった時間が必要な仕事
  • 短時間で片付けられる仕事
  • 商談など時間が決まっている仕事
  • すべての仕事を終了させる時

手当たり次第ではなく、仕事内容を分析して組み立てましょう。

口下手は直す必要がない

セールスマンは、入社後1、2年は外交的な人が成績が良いが、5年たつと大人しくて口下手な人が伸びてくる。トップセールスマンの7割が口下手な人。
つっかえても丁寧で一生懸命、誠意が伝わるのです。

挨拶の意味

声が小さいのは、子供のころからの暗示だそうです。

挨・・・心を開く
拶・・・迫る

まずは大きな声で挨拶することから。
後ろめたいことはないのだから開き直る。
語尾をはっきりと、文章を書くつもりで。

私も小さいころから声が小さいと怒られ、生まれつきだから仕方ないのにと心の中で反発していました。でも今は直りました。(生まれつきじゃなかったw)

子供の頃って声が大きいことに重きを置きすぎていませんか?
大きな声を出さなければいけない理由(遠くの人に伝えるためとか、将来プレゼンで困るからとか)をちゃんと説明してほしいし、大きな声を出す練習をするなら、小さな声を出す練習もしてほしい。個人攻撃ではなく、音量調整の訓練だと明確に分からせてほしい。合唱の授業のように、頭のてっぺんから声を出すとか、のどではなく胸から発声するとか、テクニックを教えてほしい。あ、アスペの他人の意図が分からない感が出てますかね…

 

劣等感を感じたら


劣等感を感じたら、「私はこんな人間だから」と決めつけて自分を嫌いになったり殻に閉じこもったりせずに、「今の私はこんな人間だけど、こうなりたいんだ」と考えるようにしましょう。欠点を自覚した上でスタートラインにつくのです。


最後に

やはり、要点だけ抜き出すと内容が薄く感じますね。全文読むと癒されてやる気が出るのですが。先日の「カエルを食べてしまえ」と似たような内容ですが、モタさんのほうが血が通っていて優しく、すっと入ってきます。内容はカエルの方が実践的で濃いです。心のベースがしっかりしている方は、いきなりカエルが読めるのでしょうね。私にはモタさんがいないとだめです。良い本を遺してくれてありがとうございます。

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